( 1 )大正の末頃、プラグと差込口を組んだものをコンセントプラグと呼んでいたが、東京電燈会社に務めていた小林勲が、同社の電気工事規程である内線規定(第二版)を起草するに際して、コンセントとプラグに分けたことから、専ら差込口をいうようになった。
( 2 )イギリスでは wall socket, plug socket, アメリカでは outlet, receptacle という。
低圧屋内配線と電気器具コードの接続部分に使用される差込み接続器の受け口の通称。正しくはプラグソケットplug socketという。造営材内にコンセント本体を埋め込む埋込み型と、表面に取り付ける露出型とがある。極数は2極、3極、4極のものがあり、構造としては、一般屋内用のほかに引掛け型(ツイストロック型)、防水型、防爆型および接地極付きなどがある。容量は15アンペア、20アンペア、30アンペア、50アンペアの4種類を標準とし、使用電圧は100ボルトと200ボルトの区別がある。コンセントとプラグをあわせた製品と性能に関しては電気用品安全法やJIS(ジス)(日本工業規格)に、施工に関しては電気設備技術基準および内線規程(「電気設備の技術基準の解釈」に記載された内容を具体的に定めた民間規程)に定められている。同一の使用場所では、電気方式および回路区分の混同を避けるため、それぞれの電気方式ごとに構造の異なるコンセントが使用される。なお、1個のコンセントには1台の機器が原則で、コードを引き回して多数の負荷に使用することは避けなければならない。
[越野一二・市川紀充]
アウトレットoutlet,プラグレセプタクルplug receptacle,またはプラグソケットplug socketの日本における俗称。明治のころ入ってきた英語で,concentric plugと呼ばれていたものを略称してコンセントと呼ぶようになったという。電気器具のコードの先につけたプラグをさす電気の接続口のうち,壁などに固定できるもの。発熱の少ない確実な接続,感電を防ぐ構造,十分な絶縁抵抗およびじょうぶさが求められる。プラグとの接続を受けもつ接触子の材料には,リン青銅やばね用黄銅が用いられる。定格電圧は125V,250V,定格電流は10A,15A,20A,30A,50Aである。2極構造の通常のもののほか,アース端子付き,極数が3~4のもの,屋外で用いる防水形,特殊用途の防爆形などがある。家庭で用いる100V電源のものは2極,125V,10A,15A,1口または2口が多い。
執筆者:谷井 琢也
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