皮裏の陽秋(読み)ヒリノヨウシュウ

デジタル大辞泉 「皮裏の陽秋」の意味・読み・例文・類語

皮裏ひり陽秋ようしゅう

《「晋書褚裒ちょほう伝から》心中で是非善悪をきびしく判断して外に表さないこと。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「皮裏の陽秋」の意味・読み・例文・類語

ひり【皮裏】 の 陽秋(ようしゅう)

(中国、晉の桓彝(かんい)が褚裒(ちょほう)の人となりを評した言葉で、「晉書‐外戚伝・褚裒」に見える語。「皮裏」は皮膚の中だから「心」の意。「陽秋」は「春秋」と同じで、晉代には、簡文帝の鄭皇后の諱(いみな)、阿春を避けて春を陽と書いたもの。五経の一つ「春秋」には、その筆法孔子の歴史批判が示されているとされる) 心中の批判。言葉に出さなくとも心の中できびしく是非善悪を判断すること。
日本詩史(1771)序「以故詩論所及、〈略〉皮裡陽秋不測焉」
※お伽草紙(1945)〈太宰治〉浦島さん「黙ってゐる人によくありがちの、皮裏の陽秋といふんですか」

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