精選版 日本国語大辞典 「納殿」の意味・読み・例文・類語
おさめ‐どの をさめ‥【納殿】
〘名〙
※宇津保(970‐999頃)藤原の君「おさめ殿あけて、よきくだ物・からものあげていだす」
※栄花(1028‐92頃)鶴の林「納殿まさのりが許(もと)に、使ひ残させ給へるつやつや絹五六千疋、例の絹万疋」
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…また寝室の意味にも用いられる。古く,宮中や貴族邸などで貴重品を収納した場所を納殿(おさめどの)といった。鎌倉時代に描かれた《春日権現験記》をみると,京都の大火の折,焼け残った家の北側中央に,部屋の片側を竪格子で固め,片側に引手と施錠装置を持った壁で囲まれた部屋があり,これが納戸に当たるものと思われる。…
…身舎は桁行7間,梁行2間で,四面に廂(ひさし),さらに東面に孫廂がつく。身舎は中央に馬道が通り,南北各3間の二つの部分に分けられ,北の西半は塗籠に造って収蔵施設に用い,納殿という。西廂は南北に細く通じているので,細殿と称する。…
※「納殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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