経皮薬(読み)けいひやく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「経皮薬」の意味・わかりやすい解説

経皮薬
けいひやく

皮膚から薬物を吸収させ体内に送り込むことを目的とした貼り薬。腸管肝臓を通過する過程分解を受ける薬物,また肝障害や消化器障害などを起しやすい薬物は,経口投与が限定される。そのため,これらの薬物を皮膚から吸収させることによって血中濃度を安定に保ち,副作用を軽減することができる。狭心症薬のニトログリセリン,硫酸イソソルビト,またインドメタシンのような消炎鎮痛薬,乗り物酔いの治療薬スコポラミンなどの例がある。製剤上の工夫としては,プロドラッグ化,吸収促進剤との併用,またイオン性薬物の透過を高めるイオントフォレシスによる吸収促進の試みも行われている。塗布用のフィルムにも,薬物の放出を調節する多孔性膜のような新しい素材が用いられることもある。

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