豪毛競売(読み)ごうもうきょうばい

改訂新版 世界大百科事典 「豪毛競売」の意味・わかりやすい解説

豪毛競売 (ごうもうきょうばい)

毛織物の素原料である羊毛の世界最大の産出国はオーストラリア(豪州)である。そのオーストラリアの各羊毛集散地市場で競売方式で決まる豪毛競売相場は,羊毛取引の世界的な指標となっている。オーストラリアの羊毛の流通は牧場→売り方問屋→競売市場→船積み業者という経路をとる。牧場で年1回春ごろ刈り取られた毛は,ごみ,草,木の実などを取り除かれ,品質の選別がされて売り方問屋に持ち込まれる。売り方問屋は競売予定日の午前までに見本を陳列し,買い手は事前に調べて購入のめどを付けておく。午後の競売ではせり人の合図でいちばん高い値を付けた買い方がせり落とすしくみになっている。豪毛競売市場はシドニーメルボルンアルバニアなど14ヵ所ある。買い方の最大手は日本商社で,せり落とした荷を第三国に転売する例も多い。羊毛はオーストラリアの重要な産品であるため,1973年発足のAWCオーストラリア羊毛公社)が,あらかじめ定めた価格帯以下では買い介入することがある。
毛織物
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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