貝・蛽・海蠃(読み)ばい

精選版 日本国語大辞典 「貝・蛽・海蠃」の意味・読み・例文・類語

ばい【貝・蛽・海蠃】

〘名〙
① エゾバイ科の巻き貝。北海道南部以南の水深五~三〇メートルの砂底にすむ。殻高約七センチメートルに達する。殻は厚く、螺層(らそう)はよくふくれる。殻の表面は白地に紫褐色斑点が散在し、はげやすい褐色の殻皮をかぶっている。六~八月にかけて産卵し、卵嚢は「ひょっとこほおずき」と呼ばれる。肉は食用になる。《季・新年》
※弘決外典鈔弘安七年点(1284)「貝(ハイ)の陸に居(を)るいは」
② 「ばいごま(貝独楽)」の略。
日葡辞書(1603‐04)「Baiuo(バイヲ) ウツ、または、マワス」
③ 女の髷の一つ。ぐるぐる巻いた髪形。特に新造の髪にいう。〔滑稽本・無飽三才図会(1850)〕
④ (接尾語のように用いて) 貝殻入りの練香や塗り薬などを数えることば。
言継卿記‐大永七年(1527)六月九日「丁沈円一貝たひ候」

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