責メ(読み)せめ

改訂新版 世界大百科事典 「責メ」の意味・わかりやすい解説

責メ (せめ)

狂言囃子事。地獄の鬼が亡者を六道の辻で待ちかまえ,地獄へ追い落とそうと責めたてる場面で演じる。笛が主奏し,大鼓,小鼓,太鼓が加わり,鬼の役は竹杖を持って演じ,はじめに〈いかに罪人,急げとこそ〉,途中に〈急げ急げ〉などのせりふが入る。《八尾(やお)》《朝比奈》《馬口労(ばくろう)》などの鬼狂言で用いるが,《瓜盗人》《鬮罪人(くじざいにん)》などでも祭りの余興稽古けいこ)という設定で演じられる。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の責メの言及

【働事】より

…〈立回リ〉は〈イロエ〉と同じように舞台上を静かに一巡するもので,《大会(だいえ)》のように太鼓の入るものと,《弱法師(よろぼし)》のように太鼓の入らないものがある。 狂言の働事には,笛,小鼓,大鼓,太鼓で奏する〈舞働〉〈責メ〉と,太鼓の入らない〈カケリ〉がある。〈舞働〉は能の舞働を模したもので,《毘沙門連歌》《夷大黒(えびすだいこく)》などの福神物と,《歌仙(かせん)》《菓争(このみあらそい)》などの大勢物に用いられる。…

※「責メ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android