麻逸(読み)マイツ

デジタル大辞泉 「麻逸」の意味・読み・例文・類語

まいつ【麻逸】

代の中国によるフィリピン諸島呼称。特に、ルソン島ミンドロ島をさした。

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精選版 日本国語大辞典 「麻逸」の意味・読み・例文・類語

まいつ【麻逸】

中国、宋・元代に中国人がフィリピン諸島に対して用いた呼称。特に、ルソン島・ミンドロ島をさしたが、別にジャワ島北方のビリトン島をさした場合もある。

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改訂新版 世界大百科事典 「麻逸」の意味・わかりやすい解説

麻逸 (まいつ)

宋代,元代の中国の史書に記されたフィリピンのミンドロ島付近の名称。スペイン統治以前のフィリピン諸島に関する文献記録はきわめて少なく,その中でも最も古い記録は,中国人趙汝适が宋代の13世紀初めにまとめた《諸蕃志》に出てくる麻逸国の記述とみられている。麻逸国はミンドロ島付近をさすと考えられ,この記述は先スペイン期のフィリピン社会を知る貴重な史料である。麻逸の記述は元代に書かれた《島夷志略》にも現れるが,明代にはみられなくなり,代わって呂宋(ルソン島にあたる)の記述が登場するようになる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「麻逸」の意味・わかりやすい解説

麻逸
まいつ
Ma-yi; Ma-i

フィリピンのミンドロ島の古名 Maitの音訳。中国の宋・元代の史料に現れる国名。ただし,ルソン島を含むと思われる場合もあり,またジャワ島北方のビリトン島をさすと思われる用例もある。

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