諸蕃志(読み)ショバンシ(英語表記)Zhu-fan-zhi; Chu-fan-chih

デジタル大辞泉 「諸蕃志」の意味・読み・例文・類語

しょばんし【諸蕃志】

中国地理書。2巻。南宋趙汝适ちょうじょかつ撰。1225年ごろ成立。東南アジアインド西南アジアアフリカなどの諸国について、地理社会風俗物産通商などを述べている。

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精選版 日本国語大辞典 「諸蕃志」の意味・読み・例文・類語

しょばんし【諸蕃志】

  1. 中国の地理書。二巻。南宋の趙汝适(ちょうじょかつ)撰。一二二五年ごろ成立。周去非著「嶺外代答」の海外諸国の記事をもとに、見聞や文書類によって宋と交渉のあった東南・西南アジア、インド、アフリカ、地中海沿岸などの諸国の風土・物産・交易状況などについて記述。「宋史‐外国列伝」はこの書に基づいて書かれた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「諸蕃志」の意味・わかりやすい解説

諸蕃志
しょばんし
Zhu-fan-zhi; Chu-fan-chih

中国,宋代の南海諸国の地誌。趙汝 适 (ちょうじょかつ) の撰。上・下2巻。 13世紀初め完成。福建路提挙市舶使として泉州に在任し,外国の事情をよく見聞しうる立場にあった趙汝 适が,その見聞や『嶺外代答』その他の文献の海外諸国の記事をまとめたもの。上巻は志国編で,東南アジア,インド,西南アジア,アフリカ,地中海方面の諸国の地理,社会,風俗などを記し,下巻は志物編で,上記諸国の物産や交易の状況などを記している。

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世界大百科事典(旧版)内の諸蕃志の言及

【麻逸】より

…宋代,元代の中国の史書に記されたフィリピンのミンドロ島付近の名称。スペイン統治以前のフィリピン諸島に関する文献記録はきわめて少なく,その中でも最も古い記録は,中国人趙汝适が宋代の13世紀初めにまとめた《諸蕃志》に出てくる麻逸国の記述とみられている。麻逸国はミンドロ島付近をさすと考えられ,この記述は先スペイン期のフィリピン社会を知る貴重な史料である。…

※「諸蕃志」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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