改訂新版 世界大百科事典 「アエロスパシアル会社」の意味・わかりやすい解説
アエロスパシアル[会社]
Aérospatiale
フランス最大の国有航空機メーカー。正式名称はSociété nationale industrielle aérospatiale(SNIAS)。1970年1月,国有航空機メーカーのシュド・アビアシヨンSud-Aviationおよびノール・アビアシヨンNord-Aviationとミサイル・メーカーSEREBが統合して設立された。〈コンコルド〉のメーカーとして有名。航空機のほか,ヘリコプター,ミサイル,宇宙船,エンジン,水中翼船,海洋調査船,航空用電子機器,船舶用機器,産業用電子機器などを開発,製造している。民間航空機としては,イギリスのブリティッシュ・エアクラフト社British Aircraftと共同開発し1969年に初飛行した超音速旅客機コンコルドや,西ドイツのドイッチェ・エアブス社Deutsche Airbus,スペインのCASA,オランダのフォッカー社Fokkerおよびイギリスのホーカー・シドリー社Hawker Siddeleyと共同開発し71年に初飛行したエアバスA-300Bが主力。このほか,戦闘機,爆撃機,軍用ヘリコプターなども製造している。また,西ドイツ,イギリス,スペイン,オランダと共同開発した省エネルギー・省騒音型のXエアバスA-310も商業生産に入っている。
2000年フランスのラガルディール社,ドイツのダイムラー・クライスラー社の航空部門などと合併し,政界最大級の航空宇宙グループのヨーロピアン・エアロノーティック・ディフェン・アンド・スペース社European Aeronautic Defense and Space Company(EADS)となり,エアバス社をその傘下におさめた。EADSの売上高318億ユーロ(2004年12月期),従業員約11万人。
執筆者:堀内 厚律
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報