アクチオ(その他表記)actio

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アクチオ」の意味・わかりやすい解説

アクチオ
actio

ローマ法上,儀式的かつ法的な行為を意味したが,法律訴訟 legis actio上の用語では,私権遂行のための訴訟手続の設定を意味した。すなわち訴訟当事者政務官面前で行う厳格な方式による意思表示と象徴的な行為により成立する法律訴訟のことである。当事者が法務官や政務官とともに作成し,審判人に対し争点を明示する方式書 formulaに基づいて裁判が行われる方式書訴訟では,法務官や政務官がその方式書を承認すれば原告は権利救済を受けられる期待をもつことができるので,訴権を意味することになった。

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世界大百科事典(旧版)内のアクチオの言及

【訴権】より

…民事の法律問題に悩む個人は相手方を裁判所に訴えて解決をはかることができる。たとえば,交通事故の被害者が加害者に対して損害賠償請求の訴えを起こしたり,夫婦の一方が他方に対して離婚の訴えを起こしたりするのはその例である。このように,私人が国家(裁判所)に対し訴えを提起し,判決を求める地位を,私人の権利として観念した場合に,これを訴権という。訴権という権利をそもそも観念すべきか,そうだとしてもその内容がいかなるものであるかは,ドイツおよび日本の学説史上の一大論争点であった。…

※「アクチオ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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