ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アグレン」の意味・わかりやすい解説
アグレン
Aglen, Francis Arthur
[没]1932
中華民国におけるイギリス人海関 (税関) 総税務司。 1888年以来天津,南京,上海の税務司,副総税務司をつとめ,1910年4月 R.ハートから総税務司の職を引継ぎ,11年 10月正式に任命された。当時は数百人の外国人が中国の海関に勤務し,要職の大半は外国人によって占められ,特にイギリス人は海関行政権をほとんど独占的に支配していた。第1次世界大戦後中国国内で急速に高まってきた国権回復の世論のなかで,北京政府は関税自主権の回復に乗出し,25~26年北京で開かれた関税特別会議は無期延期となったが,27年1月北京政府は2分5厘輸入付加税の徴収を2月1日から実施する旨を公布した。アグレンはその徴収を命じられたが,列国間の取決めによって合法的に認められたものでないとの理由でこの命令に服さなかった。北京政府は1月 31日アグレンを罷免し,強硬な対外折衝を行なった結果,海関以外の機関による付加税徴収を列国に承認させた。イギリス政府も結局アグレン罷免を容認した。
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