アジャール自治共和国(読み)アジャール(その他表記)Adzharia

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アジャール自治共和国」の意味・わかりやすい解説

アジャール〔自治共和国〕
アジャール
Adzharia

ジョージアグルジア)南西部にある自治共和国。 1921年アジャール=ソビエト社会主義自治共和国として設立され,90年アジャール自治共和国に改称。首都バトゥーミ。西は黒海に面し,南はトルコ国境を接する。地形は海岸平野とチョロフ川流域平野を除けば山がちである。沿岸部は湿潤な亜熱帯気候に属し,平均気温1月5~8℃,8月 21~23℃,年降水量は 2500~3000mmに上る。全面積の 50%以上が森林におおわれる。住民はおもにグルジア人で,ほかにロシア人,アルメニア人などが住む。住民の半数以上が農村に居住し,茶,柑橘類,タバコ,アボカド,キリなどの亜熱帯性作物を栽培する。高地では牧畜が行われる。工業部門では,農産物加工のほか,バクー油田からのパイプラインの末端であるバトゥーミに石油精製,石油化学などの工業がある。黒海沿岸部は名高い保養地となっている。おもな都市はバトゥーミのほかコブレチ。ジョージアの各地と道路で結ばれ,バトゥーミから北へ鉄道が延びる。また海路で黒海沿岸諸都市と,空路トビリシモスクワなどと結ばれる。面積 3000km2。人口 38万 1500 (1991推計) 。

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