地球上の亜熱帯地方にみられる気候の総称。ケッペンの気候区分にはないが、地中海性気候(Cs)と乾燥気候(ステップ気候BSと砂漠気候BW)が、ほぼ亜熱帯気候に相当する。地中海性気候は、夏には中緯度高圧帯の影響下にあり、高温乾燥、冬になると偏西風帯側に属し雨期となる。地中海地域のほか、北アメリカのカリフォルニア(北緯34~43度)や、南アメリカのチリ海岸(南緯31~37度)、アフリカやオーストラリアの南端部などに分布する。乾燥気候は、砂漠気候とステップ気候からなる。砂漠気候の特徴は、少雨で気温日較差が非常に大きい。この周辺に、やや降雨のあるステップ気候が分布する。インド大陸の例では最大の干魃(かんばつ)常習地がこの気候区に位置する。地中海性気候のサンフランシスコ(アメリカ)、ステップ気候のベンガルール(インド)、砂漠気候のリヤド(サウジアラビア)のクライモグラフ(横軸に相対湿度、縦軸に湿球温度または気温をとった直交座標中に、各々の月平均値を点で示し、12点を月別に結んだ線図)を比べても、パターンが大きく異なり、亜熱帯という一つの気候帯に区分することにはやや無理がある。なお、琉球諸島南部は近年の温暖化で亜熱帯から熱帯気候に変わっている地域がある。
[福岡義隆]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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