アター・ベグ(その他表記)Atābeg

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アター・ベグ」の意味・わかりやすい解説

アター・ベグ
Atābeg

イランセルジューク朝王族の子弟養育を委託された諸侯に対する称号。トルコ語の ata (父) と beg (遊牧諸侯の称号) の合成語であるが,その起源は不明確。大セルジューク朝の統一の崩壊とともに彼らは諸地方に分立したセルジューク諸朝内においてスルタンを押えて実権を掌握するようになり,12世紀なかば頃より,その多くが独立した政権を樹立するにいたった。アゼルバイジャンエルディグズ朝モスルザンギー朝ファールスサルグル朝などがそれで,これらはアター・ベグ朝と総称される。なお,アター・ベグの称号はその後ホラズム・シャー朝マムルーク朝においても用いられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android