ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アター・ベグ」の意味・わかりやすい解説 アター・ベグAtābeg イラン,セルジューク朝王族の子弟の養育を委託された諸侯に対する称号。トルコ語の ata (父) と beg (遊牧諸侯の称号) の合成語であるが,その起源は不明確。大セルジューク朝の統一の崩壊とともに彼らは諸地方に分立したセルジューク諸朝内においてスルタンを押えて実権を掌握するようになり,12世紀なかば頃より,その多くが独立した政権を樹立するにいたった。アゼルバイジャンのエルディグズ朝,モスルのザンギー朝,ファールスのサルグル朝などがそれで,これらはアター・ベグ朝と総称される。なお,アター・ベグの称号はその後ホラズム・シャー朝やマムルーク朝においても用いられた。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by