アナトリア諸語(読み)アナトリアしょご(その他表記)Anatolian languages

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アナトリア諸語」の意味・わかりやすい解説

アナトリア諸語
アナトリアしょご
Anatolian languages

アジアニック諸語,小アジア諸語とも呼ばれ,古代に小アジア半島で話されていた言語の総称。紀元後は次第にギリシア語に取って代られた。最も有名なのは楔形文字碑文から知られているヒッタイト語で,インド=ヨーロッパ語族に属する。ほかに,やはりインド=ヨーロッパ語族に属すると推定されるパラー語ルウィ語も行われていた。前約 2000年のヒッタイト族の侵入以前にこの地に居住していた人々の言語であるハット語や東部地域に分布していたフルリ人フルリ語は,非インド=ヨーロッパ語系であるが,詳しい系統関係は知られていない。ハット語は基層言語として,ヒッタイト語その他に影響を及ぼしている。ヒッタイト帝国滅亡 (前 1200) 後,楔形文字は衰え,象形文字で書かれたルウィ語と思われる碑文も発見されているが,前8世紀からギリシア文字が用いられるようになる。この時代以降の言語としては,古期フリュギア語リュキア語リュディア語が知られ,いずれもインド=ヨーロッパ語族系と推定される。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

ビャンビャン麺

小麦粉を練って作った生地を、幅3センチ程度に平たくのばし、切らずに長いままゆでた麺。形はきしめんに似る。中国陝西せんせい省の料理。多く、唐辛子などの香辛料が入ったたれと、熱した香味油をからめて食べる。...

ビャンビャン麺の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android