アノール(読み)あのーる(英語表記)anole

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アノール」の意味・わかりやすい解説

アノール
あのーる
anole

爬虫(はちゅう)綱有鱗(ゆうりん)目イグアナ科アノール属に含まれるトカゲ総称。同属Anolisのものは、体色を緑色から褐色まで変化させる。樹上性で、頭部が細長く、尾は全長の3分の2を占める。指は平たく吸盤状となり、雄ののどには舌骨で支えられた飾り袋があって、雌に対する求愛やライバルの雄に対するディスプレーのとき、いっぱいに広げる。アメリカ合衆国南東部、西インド諸島に分布するグリーンアノールA. carolinensisはアメリカカメレオンの名でもよばれ、全長18センチメートル、最近では小笠原(おがさわら)諸島の父島にも持ち込まれて定着している。キューバ産のナイトアノールA. equestrisは全長45センチメートルの大形で、カエルや鳥の雛(ひな)をも捕食する。この属が含まれるアノール亜科は22属300種を超える大きなもので、熱帯アメリカに広く分布する。

[松井孝爾]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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