ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アミーヌッ・スルターン」の意味・わかりやすい解説
アミーヌッ・スルターン
Amīn al-Sulṭān, Mīrzā `AlīAṣghar Khān
[没]1907
イラン,カージャール朝の王ナーシル・ウッディーンの宰相 (サドレ・アーザム) 。 19世紀後半イギリス人に利権を譲渡してイランの独立を危うくし,タバコ・ボイコット運動の際は,民族運動側から売国者として非難された。こののち親イギリスの政治から親ロシアの政治に転じた。ナーシル・ウッディーンが 1896年愛国者の手で暗殺されて,ムザッファル・ウッディーンが即位すると彼は宰相の地位を解任され,彼の対抗者アミーヌッ・ドゥレが宰相に就任したが,97年再び宰相の座に戻った。この交代はそれぞれの背後の英露の対抗を反映するものでもあった。 1903年末に宰相を解任され,07年立憲制下に再び宰相に任じられたが,ロシアの手先とみなされて暗殺された。
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