日本大百科全書(ニッポニカ) 「アラスカメヌケ」の意味・わかりやすい解説
アラスカメヌケ
あらすかめぬけ
longjaw rockfish
Pacific Ocean perch
[学] Sebastes alutus
硬骨魚綱カサゴ目フサカサゴ科に属する海水魚。宮城県以北、北海道沖からベーリング海、アラスカ、カナダを経て南カリフォルニアにまで広く分布する。アカウオ(赤魚)ともよばれる。下あごが上あごより著しく突出し、その先端に大きいこぶ状物を備え、尾びれの後縁が湾入することなどがこの種の特徴である。体は鮮紅色で、黄緑褐色の斑紋(はんもん)が背びれの下にあり、尾柄(びへい)の背面に黒斑がある。
ベーリング海ではおもに水深100~400メートルに群れをつくってすみ、10~12月ごろにさらに深みに入って交尾する。雌は水温の高いアラスカ湾北部へ移動し、受精後2~3か月のちに出産する。全長30センチメートル前後の7年魚では約3万1000尾の仔魚(しぎょ)を産む。成長は非常にゆっくりで、成熟するまでに5~7年かかる。全長50センチメートル前後になり、30年ほど生きる。北太平洋におけるメバル類中では水産上もっとも重要魚で、日本、ロシア連邦、カナダ、アメリカなど底引網で多量に漁獲している。日本では広く総菜用にされる。また、みそ漬けや粕(かす)漬けにしたものがアカウオやアコウダイの商品名で売られている。
[尼岡邦夫]