日本大百科全書(ニッポニカ) 「アリノトウグサ科」の意味・わかりやすい解説
アリノトウグサ科
ありのとうぐさか
[学] Haloragaceae
双子葉植物、離弁花類。草本または低木で、多くは陸生であるが水生のものもある。葉は対生、互生または輪生し托葉(たくよう)はなく、水中葉は細かく分裂する。花は両性または単性で円錐(えんすい)花序をなし、ごく小形。萼(がく)は子房を包んで萼筒(がくとう)をなし、先は2~4裂するか、または裂片がない。花弁はないか、または2~4枚あり、やや覆瓦(ふくが)状に並ぶ。雄しべは2~8本、葯(やく)は底着し縦裂する。子房は下位で1~4室、胚珠(はいしゅ)は室の頂端から下垂する。果実は小形で堅果または核果をつくり、翼があり裂開せず、分果をつくるものもある。種子には多量の胚乳をもつ。南北両半球の熱帯、温帯に広く分布し、世界に約8属160種がある。日本では陸生の小形の草本のアリノトウグサ属Haloragisと、水生の軟弱な草本のフサモ属Myriophyllumの2属が分布する。
[小林純子 2019年10月18日]
APG分類でもアリノトウグサ科とされる。
[編集部 2019年10月18日]