ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルゴン・アルゴン法」の意味・わかりやすい解説 アルゴン・アルゴン法アルゴン・アルゴンほうargon-argon method Ar-Ar法ともいう。カリウム 40が放射崩壊してアルゴン 40に変化していくのを利用して岩石の絶対年代を決める方法の一つ。原理的にはカリウム・アルゴン法 (K-Ar法) と同じ。異なる点は,アルゴン・アルゴン法ではカリウムの量を直接測定せずに,40Ar/39Ar 比を測定する点である。すなわち年代を測定したい試料を原子炉中で速中性子照射し,生じたアルゴン 39を利用する。中性子照射によってつくられるアルゴン 39の量は試料中のカリウムに比例するが,その比例定数はあらかじめ年代の知られた標準試料を同時に中性子照射することによって得られる。このことから年代未知の 40Ar/36Ar ,39Ar/36Ar を測定すれば試料の年代が得られる。この方法はカリウム,アルゴンの定量をせずにアルゴンの同位体比を測定するだけで年代が決定できるので,少量の試料から精度のよい年代を決定できる。またカリウム・アルゴン法に比べて,変成作用などで逃げたかもしれないアルゴンの影響などを段階加熱法などを使って確かめうる点で信頼性が高い。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by