アルデーシュ県(読み)アルデーシュ(その他表記)Ardèche

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルデーシュ県」の意味・わかりやすい解説

アルデーシュ〔県〕
アルデーシュ
Ardèche

フランス南部,ローヌアルプ地域(レジオン)の県。マシフサントラル(中央山地)南東縁とローヌ川に挟まれた旧ラングドック州ビバレ地方にある。県都プリバ。西部はブティエールとセベンヌの古い山地で(→セベンヌ山脈),ローヌ川右岸の支流による浸食の進んだ地域。アルデーシュ川などが深い谷を刻み,森林と牧畜地帯をなす。谷口付近には果樹園が多い。東部は台地,低い丘陵地帯で,西部山地に比べ気候も温暖であり,穀物,ブドウなどの栽培に加え,養蚕地帯としてクワ畑も多かったが減少した。工業は伝統的な絹紡績が中心。ほかにバス車体組み立て,皮革加工,製紙,セメント工業などがある。バルレバン,サンローランレバンなど湯治場があるが,特に大きな都市はない。1994年にアルデーシュ峡谷の洞窟で,探検家ジャン=マリー・ショーベほか 2人が,ライオン,サイ,バイソンマンモス,原牛オーロックス(→ウシ)など 10種以上の動物が描かれた旧石器時代のものとみられる壁画を発見した(→洞窟遺跡)。洞窟は発見者にちなんでショーベ・ポン・ダルクと呼ばれ,2014年世界遺産の文化遺産に登録された。面積 5529km2。人口 27万7581(1990)。

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