マンモス(英語表記)Mammuthus; mammoth

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マンモス」の意味・わかりやすい解説

マンモス
Mammuthus; mammoth

長鼻目ゾウ亜目に属する化石属。ゾウ類を細分することに反対の学者は Elephas の属名で呼ぶことがある。この属にはいろいろな種が区別されているが,ほとんどのマンモス現生ゾウとほぼ同大かやや小型である。真正マンモスの祖とされる M.meridionalis(または Archidiskodon)は「暖帯のマンモス」とも呼ばれ,第四紀更新世前期にアフリカ大陸からヨーロッパ南部に進出し,その後ユーラシア大陸から北アメリカ大陸まで分布を広げた。このグループから,更新世中期の草原と寒冷気候に適応した「温帯のマンモス」トロゴンテリゾウ,更新世後期のさらに寒冷な気候に適応した「毛深いマンモス」M.primigenius などが出現した。M.primigenius は,肩までの高さ最大 3m,ユーラシアや北アメリカの寒帯地域にすみ,北海道まで南下している。体毛から内臓,胃の内容まで保存されている氷漬化石が得られており,淡褐色から暗褐色の長い剛毛に覆われ,厚い皮下脂肪をもつことや,太く,螺旋状に曲がった牙をもつ全骨格もわかっている。

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