日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルミナホワイト」の意味・わかりやすい解説
アルミナホワイト
あるみなほわいと
alumina white
硫酸アルミニウム水溶液に炭酸ナトリウムあるいは炭酸アンモニウム水溶液を加えて生成する白色顔料。その組成はAl2(OH)6-x(SO4)x/2nH2Oで、だいたいx=1とされている。市販品は酸化アルミニウムAl2O340~41%、三酸化硫黄(いおう)SO317~19%、H2O19~21%の組成である。非晶質の柔らかいかさ高の白色粉末で、水には不溶であるが、酸、アルカリには可溶、比重は約2.35。屈折率は体質顔料中もっとも低く約1.5で、油と同程度のため、油と練ったものは完全に透明となる。耐光性、耐候性ともに高く、すべての顔料と展色材との併用が可能であるが、酸価の高い油と練ると表面が硬化し、リバリング(膠化(こうか))をおこす。しかし、この油と作用しゲル化する性質を逆に利用すると、油中での他の顔料の沈降を防止することができる。インクの補助剤、透明印刷インク(ビクトリア)、絵の具、クレヨン、ゴムなどに用いる。アルミナホワイトを体質とした有機顔料は鮮明で、透明性となる。
[大塚 淳]