ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アレクサンドル物語」の意味・わかりやすい解説 アレクサンドル物語アレクサンドルものがたりRoman d'Alexandre マケドニアの王アレクサンドロスの生涯と事跡を描いたロマンス。シャルルマーニュ伝説,アーサー王伝説と並ぶ,ヨーロッパ中世の有名な伝奇物語群。大王の遠征に従軍したと伝えられるカリステネスの名を冠したギリシア語史書を原典とし,その多種のラテン語翻案に依拠し,フランスを中心とする西ヨーロッパ各国に広く流布した。 12世紀初頭のアベリクによる断片のあと,12世紀後半にいたって,アレクサンドル・ド・ベルネーやランベール・ル・トールによりフランス語に翻案,完成された (12音節の詩行で書かれており,アレクサンドランという名称はここからきている) 。ドイツ語によるものではランプレヒトのもの (12世紀中頃) ,ヨーロッパ以外のものではペルシアのニザーミー (12世紀) によるものが有名。武勲詩と騎士道物語の中間に位置し,物語文学への道を開くものであった。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by