日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンチセンス治療法」の意味・わかりやすい解説 アンチセンス治療法あんちせんすちりょうほうanti-sense therapy 病気の原因になる遺伝子の働きを抑える人工遺伝子をつくって、病気を治したり、ウイルスなどの感染を抑える新治療法。1991年にアメリカのオハイオ大学チームがマウス実験で成功した。癌や自己免疫病、感染症でRNAが、タンパク合成を指令しようとすると、RNAにぴったりあう人工物質(人工遺伝子)が邪魔をし、病気の細胞の増殖をストップさせる。現在、アンチセンスDNAを確実に細胞内へ送り込むベクターの研究など、医薬化へ向け開発が進んでおり、エイズなどの治療に期待が高まっている。[田辺 功][参照項目] | 遺伝子治療 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例