日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンテキヌス」の意味・わかりやすい解説
アンテキヌス
あんてきぬす
marsupial-mouse
哺乳(ほにゅう)綱有袋目フクロネコ科アンテキヌス属に含まれる動物の総称。同属AntechinusにはキアシアンテキヌスA. flavipesなど12種が含まれ、オーストラリア、タスマニア島、ニューギニア島に分布する。頭胴長7~14センチメートルで、外形はネズミに似るが、尾は長い。前足、後ろ足ともに5本の指がある。種により体色は異なるが、一般に赤褐色か灰褐色である。おもに地上で生活し森林、砂岩地帯、川岸などに生息する。夜行性で、主として虫食性であるが、ネズミや小鳥なども食す。腹部に育児嚢(のう)があり乳頭数は8~10個。1産で8~12子を産むため、乳頭数より余った子は乳を飲めず死亡する。子は無毛で閉眼、育児嚢内で育てられる。
[中里竜二]