化学辞典 第2版 「アンドレードの粘度式」の解説
アンドレードの粘度式
アンドレードノネンドシキ
Andrade's viscosity equation
液体の粘性は,一般に温度の上昇に対して減少する.この関係を与える次の経験則をいう.
ここで,Bは比例定数,Ev は粘性流動の活性化エネルギー,Rは気体定数,Tは絶対温度.H. Eyring(アイリング)は絶対速度論を用いて,ニュートン流動の粘性を粒子層のずれ模型で説明し,理論的にアンドレードの粘度式を導き出した.粘度式中の活性化エネルギーは,理論の活性化エンタルピーに相当し,液体分子がその周囲に存在する空孔に移動するときに越えなければならないポテンシャルの山の高さに等しいと考える.非会合性液体はこの式によく合い,活性化エネルギーは数 kJ mol-1 であるが,水やアルコールなど水素結合をつくる会合性液体では,この式に合わないことが多く,低温で粘度はこの式で求められるものよりも大きくなり,また見掛けの活性化エネルギーもかなり大きくなる.[別用語参照]ドリトルの粘度式
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報