アンバルワリア(その他表記)Ambarvalia

関連語 小海

改訂新版 世界大百科事典 「アンバルワリア」の意味・わかりやすい解説

アンバルワリア
Ambarvalia

西脇順三郎の日本語による第1詩集。1933年(昭和8)椎の木社刊。〈Le Monde ancien(古代世界)〉と〈Le Monde moderne(近代世界)〉の2部に分けられ,序詩を含めて31編の詩を収める。題名はラテン語で穀物祭の意,古代ローマの農業の女神ケレスを祭る儀式の名である。この詩集は,その革新的な詩法・文体に支えられた明るい知的抒情と鮮烈な感覚美とによって,昭和の詩に新風を吹きこみ,時代の詩的感受性を新方向に向かわせる役割を果たした。47年に改訂再刊本《あむばるわりあ》が出たが,内容・構成ともに初版本と著しく異なり,全面的に改作,修正,詩行の加除が施されているので,これは同一モティーフによる別個の詩集と見るべきであろう。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android