日本大百科全書(ニッポニカ) 「アンフィンゼン」の意味・わかりやすい解説
アンフィンゼン
あんふぃんぜん
Christian Boehmer Anfinsen
(1916―1995)
アメリカの生化学者。ペンシルベニア州モネッセンに生まれる。スウォースモア大学、ペンシルベニア大学で学んだのち、1939年にデンマークのコペンハーゲンにあるカールスバーグ研究所に1年間留学した。帰国後、1943年にハーバード大学医学部で博士号を取得、同大学で講師と助教授を7年間務めた。1950年アメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)の主任研究員となる。1962年に1年間だけハーバード大学の教授となったが、要請を受けて、ふたたびNIHに戻った。
1950年代から酵素の構造と機能の研究に着手し、タンパク質の三次元構造を決定する情報はアミノ酸の配列(一次構造)に依存していると結論した。これはタンパク質研究の重要な発見であり、この業績によりS・ムーア、W・H・スタインとともに、1972年のノーベル化学賞を受賞した。
[編集部 2018年6月19日]