日本大百科全書(ニッポニカ) 「あん摩マッサージ指圧師」の意味・わかりやすい解説
あん摩マッサージ指圧師
あんままっさーじしあつし
患部を手で押す、もむ、こするなどの刺激を与えることで、肩こりや腰痛などの諸症状の改善を図る施術を業として行うために必要な国家資格。正式名称はあん摩マツサージ(マッサージ)指圧師。あん摩マッサージ指圧師とあわせ、きゅう師、はり師の三つの国家資格を取得した人を、通称鍼灸(しんきゅう)マッサージ師や三療師とよんでいる。「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(昭和22年法律第217号)に基づき、厚生労働大臣が認定する。法律改正を経て指定試験機関や登録機関制度が導入され、1992年(平成4)以降は都道府県知事にかわり厚生労働大臣が実施する試験による免許制となった。1993年に行われた第1回国家試験より財団法人東洋療法研修試験財団が、試験や登録にかかわる事務を行っている。受験資格は、高等学校卒業資格をもち、文部科学大臣もしくは厚生労働大臣が認定した養成施設で、3年以上知識と技術を修得した者であるが、著しい視覚障害を有する場合には、高等学校に入学することのできる者で、3年以上必要な知識と技術を修得した者となっている。これは同資格が視覚障害者の社会参加を促進するため、古くから活用されてきたという経緯があるためである。毎年1回の筆記試験が実施され、試験科目は医療概論や衛生学、解剖学、生理学などの基礎系科目と、東洋医学やあん摩マッサージ指圧理論などの臨床系科目の12科目である。2015年度(平成27)の受験者数は1687人で、合格率は84.3%、2014年までの登録者の累計は18万8685人である。
[編集部 2016年9月16日]