ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イオンさや」の意味・わかりやすい解説 イオンさやion sheath プラズマ中に負の電位をもった物体があると,電子の大部分ははね返され,ほとんど正イオンばかりが物体の周囲に集る。このようにして生じた正の空間電荷層をイオンさやという。イオンさやの内部では電子がほとんどないために電離や励起があまり行われず,一様に光っているプラズマ内でこの部分だけが光らない。刀のさやのように物体を包んでいるので,この名がつけられた。さやの厚さは圧力,温度,イオン密度,物体の電位などで変るが,普通は数 mm以下である。イオンさやは,プラズマの電子温度や電子密度をはかるために差込まれた探針電極,あるいはガイガー=ミュラー計数管の芯線のまわりなど,外部から入れた電極のまわりに生じやすい。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by