最新 地学事典 「イコサヘドライト」の解説
イコサヘドライト
icosahedrite
化学組成Al63 Cu24Fe13の鉱物。通常の結晶がもつ並進周期性をもたないが,アモルファスとも異なり原子配列に高い秩序性をもつ準結晶として,初めて天然で記載された鉱物。三次元周期をもたないため,格子定数は与えられていない。塊状。金属光沢。劈開なし。硬度,比重不明。条痕灰色。ロシアのカムチャッカ半島にて重砂から採取されたサンプル,苦土かんらん石,透輝石,スティショバイト,Al-Cu合金系鉱物などと共生して産出。共生鉱物はきわめて還元的条件かつ超高圧下での生成を示しており,共生鉱物の酸素同位体比が始原的隕石の傾向を示すことから,衝撃変成を経験した隕石と考えられている。名称は,正二十面体準結晶の対称性を示すことにちなむ。
執筆者:門馬 綱一
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

