機械工学では〈かたさ〉を用い,鉱物の硬度はモース硬度で表す。
→硬さ →モース硬度計
水中のカルシウムイオンおよびマグネシウムイオンの溶存量を示す尺度。厚生省制定の〈上水試験方法〉(1978)では,これらのイオン量をCaCO3量に重量換算し,水1lあたりのmgで表す。以前はppmで示した時もあり,またセッケンの泡立ち能力の差で判定したこともあった。硬度には,(1)総硬度,(2)カルシウム硬度,(3)マグネシウム硬度,(4)非炭酸塩硬度(永久硬度),(5)炭酸塩硬度(一時硬度),の5種がある。(1)は両イオン全体による硬度,(2)と(3)は各単独成分による硬度,(4)は煮沸により析出することのない塩(硫酸塩,硝酸塩,塩化物など)による硬度,(5)は煮沸で析出する炭酸水素塩などによる硬度,である。(4)と(5)とは厳密には区別できない。ドイツ,イギリス,フランスなどでは,おのおの独自の硬度の基準がある。そのうちドイツ硬度というのはCaO1mg/水100mlを1度とするもので,ドイツ硬度10度以下(CaCO3179mg/l以下)を軟水,同20度以上(CaCO3357mg/l以上)を硬水と呼ぶことが多い。ただし,これらは厳密な定義ではない。硬度の測定にはEDTA法を用い,JISにその規定がある。
執筆者:金澤 孝文
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固体鉱物を含む物質の硬さを数字的に表示したもの。絶対的表示(たとえばビッカース硬度)と、相対段階表示(たとえばモース硬度)の方式があり、後者については段階表示の尺度となる物質を一括して組みにしたものを硬度計という。鉱物に対して用いられる硬度には、これらのほか、不透明鉱物の琢磨(たくま)片の観察の際に用いられる琢磨硬度、擦過硬度がある。これらは一種の相対硬度で、前者は一定条件で琢磨片を作成した場合、隣接する2種の鉱物の凹み具合の差であり、後者はそうして仕上げた表面に擦痕(さっこん)をつくった際の擦痕の深さ(幅)の差を硬度計式表示によって示したものである。
[加藤 昭]
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