イゴロット族(読み)イゴロットぞく(その他表記)Igorot

翻訳|Igorot

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イゴロット族」の意味・わかりやすい解説

イゴロット族
イゴロットぞく
Igorot

フィリピン北部ルソン島コルディエラセントラル山脈に居住するマレー系の一民族。21世紀初頭の人口は約 150万と推定される。オーストロネシア語族に属する言語を話す。かつては首狩り習俗をもつ民族として有名であったが,首狩りの戦いは,スペインとアメリカ合衆国の統治を通じて完全に統御された。イゴロットタガログ語で「山の人」を意味するが,大きく二つの集団に分けられる。高地イゴロット族は灌漑設備が施された棚田稲作を行ない(→階段耕作),畑でサツマイモその他の根茎植物を栽培する。また低地イゴロット族は陸稲栽培を移動耕作する。高地では一般に密集した集落を形成するが,低地では集落や家は散在している。文化的要素は両者とも共通しており,村落レベルをこえる政治組織はない。双系的な親族組織をもち,第3いとこまで親族に含む。祖霊を含む精霊を信仰する。

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