日本大百科全書(ニッポニカ) 「イシフエダイ」の意味・わかりやすい解説
イシフエダイ
いしふえだい / 石笛鯛
smalltoothed jobfish
[学] Aphareus furca
硬骨魚綱スズキ目フエダイ科に属する海水魚。相模湾(さがみわん)以南、伊豆諸島、南西諸島、小笠原(おがさわら)諸島、台湾の海域、南シナ海、太平洋、インド洋に分布する。体は長い紡錘形で、口は大きく、上顎(じょうがく)の後端は目の中央下あるいはそれより後方に達する。下顎の先端は上顎の前端より突出する。鋤骨(じょこつ)（頭蓋(とうがい)床の最前端にある骨）に歯がない。背びれと臀(しり)びれの最後の軟条は著しく突出し、ほかの軟条長の2倍以上。尾びれは細長く深く二叉(にさ)する。体色は頭と体が全体に輝く青色で、背びれと臀びれが黄色のものから、体の背面は紫褐色で側面が青灰色、そして腹面と頭部は銀白色（ときには頭が鮮黄色）のものまで変化に富む。前鰓蓋骨(ぜんさいがいこつ)と鰓蓋骨の縁辺は黒く縁どられる。最大全長は約40センチメートル。岩礁やサンゴ礁域の浅所から水深200メートルに、単独や小さい群れですみ、おもに魚や甲殻類を食べる。一本釣り、深海延縄(はえなわ)、突きで漁獲されるが、量的には多くない。白身魚で南西諸島では総菜にする。大形個体のシガテラ中毒の報告もある。オオグチイシチビキに似るが、イシフエダイは鰓弓(さいきゅう)の上枝の鰓耙(さいは)が少なくて6～12本（オオグチイシチビキは16～19本）であることで区別できる。
［赤崎正人・尼岡邦夫 2017年4月18日］
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