山川 世界史小辞典 改訂新版 「イスパニダー」の解説
イスパニダー
Hispanidad
19世紀末からスペインでは,かつてのスペイン帝国領域を一つの言語=文化共同体ととらえ,「アメリカ発見」の10月12日を称える動きが強まり,1918年にこの日が国民の日と定められた。さらに伝統的勢力は,新世界(新大陸)の征服,植民とカトリック布教をイスパニダー(スペイン精神)の発露とみなした。内戦の反乱軍陣営とフランコ体制はこのイスパニダーを国民統合のイデオロギーとして最重視し,10月12日は盛大に祝われていた。現在も国民の日だが宗教的意味は除かれている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報