イブン・マサッラ(その他表記)Ibn Masarrah

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イブン・マサッラ」の意味・わかりやすい解説

イブン・マサッラ
Ibn Masarrah

[生]883. コルドバ
[没]931
スペインにおけるイスラム神秘思想運動の始祖といわれている。純粋存在である神の認識にいたる過程を,新エンペドクレス派的流出観に裏づけられた宇宙論に基づいて説明する。すなわち神から英知的実在である第1質料が最初に発出し,それに続いて順次4個の実体が発出するという宇宙論である。彼の思想はイスラム神秘哲学史上最大の思想家イブヌル・アラビーおよび中世ユダヤ哲学者イブン・ガビロル (アビケブロン) の思想形成に大きな影響を与えている。イブン・マサッラは晩年コルドバ近郊のシエラに庵を結び,スペインにおける最初の神秘思想家集団をつくった。主著『透徹せる解明の書』 Kitāb al-tabṣirah。

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