ウズボイ(読み)うずぼい(その他表記)Узбой/Uzboy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウズボイ」の意味・わかりやすい解説

ウズボイ
うずぼい
Узбой/Uzboy

中央アジアのトルクメニスタン共和国にある長大な河道跡。カラクム砂漠の北西縁を、北東から南西方向に連なり、カスピ海に至る。長さ約550キロメートル(屈曲部をあわせると775キロメートル)、ソロンチャク(塩沢地)の凹地と小湖沼が連接し、サクサウール(アカザ科の半低木)やタマリスクギョリュウ)の生えたオアシスをなす。沿線にはシルワンカラなどの古代都市の遺跡や、10~13世紀のキャラバン・サライ(隊商宿営地)が発見されている。1950年代初めの、いわゆる自然改造計画の再現として、このウズボイに沿う運河建設が行われている。

[熊木洋太]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウズボイ」の意味・わかりやすい解説

ウズボイ
Uzboi

旧ソ連,中央アジア西部,カラクム砂漠北縁のサリカムィシュ低地からカスピ海まで連なる古代河川の跡。長さ約 550km,幅 200mから2~4km。古典古代時代にはすでに涸れ谷になっていた。文献上では中世には流れる川であったとの記録があるが,これはホラズム地方の灌漑網破壊による一時的現象とされている。流路の跡に塩湖や塩の堆積層 (6~7m) がみられる。

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