日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソロンチャク」の意味・わかりやすい解説
ソロンチャク
そろんちゃく
solonchak
内陸乾燥地域の砂漠からステップ地帯にかけて、局地的排水不良の凹所に生ずる塩分の集積物からなる土壌。中央アジアの旧ソ連領域で使われていた地方語を語源とする。日本語訳はないが、アメリカではこの種の土壌をホワイトアルカリ土とよぶ。また、ソロンチャクの塩類が地下水位などの影響を受けて溶脱する過程で生ずる強アルカリ性のソロネッツとあわせて塩類土壌群とする分類法がある。外洋に流出する河川のない内陸乾燥地ではさまざまな塩類を溶かし込んだ地下水が凹地の地下に集まり、毛細管上昇して地表にナトリウム・カルシウム塩類を濃縮させる。地表から表土層にかけて塩化ナトリウムや硫酸カルシウムなどの白色沈積物が凝固し、細粒構造の発達した特有の断面形態を示す。反応は弱アルカリ性で塩分濃度が高く、土壌生成作用としては塩類化(塩類集積)作用(あるいはソロンチャク化作用)に属する。
[浅海重夫]