20世紀西洋人名事典 の解説
ウラジミル ポメランツェフ
Vladimir M. Pomerántsev
1907 -
ソ連の作家。
1953年末「新世界」誌にエッセイ「文学における誠実さについて」を発表。このなかで、戦後のソビエト文学が嘘が多く、作者の誠実さこそ文学の最高価値基準であると論じ、オヴェーチキンの農村ルポルタージュのみが戦後文学といえると極論したため、党の側から激しい非難を招き、「新世界」誌編集長は更迭される事件を招いた。この時期はシチェグロフのレオーノフ論、エレンブルグの「雪どけ」など社会主義リアリズムの根本理念を否定する作品が相次ぎ、ソ連知識人のスターリン批判気運を彼の論文は最もあからさまに表現したものといえる。
出典 日外アソシエーツ「20世紀西洋人名事典」(1995年刊)20世紀西洋人名事典について 情報