化学辞典 第2版 「ウラニル塩」の解説
ウラニル塩
ウラニルエン
uranyl salt
ウラニル基UⅤ O2+,UⅥ O22+を陽イオンとしてもつ塩.UⅤ/UⅥの標準酸化還元電位は+0.05 V.UO22+の塩は黄色のものが多い.硝酸塩,ハロゲン化物,硫酸塩,酢酸塩,有機錯塩などがある.UO2+は不安定で不均化反応により U4+ とUO22+になる.硝酸塩の重要な特徴は,多くのアルコール,ケトン,エーテルに可溶なことで,水相から有機相に溶媒抽出されるので,ウランの分離精製に古くから利用されてきた.有機相としてリン酸トリブチル(C4H9O)3POは塩析剤を必要としないのでよく用いられる.ウラニル塩のもう一つの特徴は,緑色の蛍光を発することで,シュウ酸ウラニルは化学光量計(シュウ酸ウラニル化学光量計)に使用される.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報