化学辞典 第2版 の解説
シュウ酸ウラニル化学光量計
シュウサンウラニルカガクコウリョウケイ
uranyl oxalate chemical actinometer
液相化学光量計の一種.古くから用いられている.原理は,硫酸ウラニルUO2SO4とシュウ酸H2C2O4の混合水溶液を光照射すると,ウラニルイオンUO22+の光増感作用で,シュウ酸が分解することを利用したものである.たとえば,0.01 mol L-1UO2SO4と0.05 mol L-1H2C2O4の溶液で,シュウ酸の減少から求めた量子収量は,436~245 nm の波長範囲で波長にほぼ無関係に0.57で一定である.反応物質濃度,光の強度にも無関係である.この方法では,反応物質であるシュウ酸の減少を測定するため,感度はシュウ酸鉄(Ⅲ)カリウム化学光量計に比べてはるかに劣るが,分解生成物であるCOをFID付ガスクロマトグラフィーで測定する改良法では,感度がはるかに向上するといわれている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報