改訂新版 世界大百科事典 「ウリヤノフスク」の意味・わかりやすい解説
ウリヤノフスク
Ul'yanovsk
ロシア連邦,ヨーロッパ・ロシアの東部,同名州の州都。人口62万3139(2004)。ボルガ川中流の右岸にあり,旧称シンビルスクSimbirsk。金属加工工業,機械工業,自動車工業,食品工業などがさかんで,大学,劇場,博物館がある。1648年にロシア南東部の防衛拠点として建設され,18世紀末から州都。工業の発展はおもに第2次世界大戦後で(1939年の人口9万8000),20世紀初頭までは停滞的な地方都市であった。1853年に来日したこともある作家I.A.ゴンチャロフ,ロシア革命時の臨時政府の首相ケレンスキー,革命家レーニンなどの出身地である。この市で生まれ17歳までを過ごしたレーニンを記念して,彼が死去した1924年に,その姓ウリヤーノフにちなんで改称された。レーニン一家の住んだ家や彼が通った学校が現存している。
執筆者:倉持 俊一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報