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機械工業 きかいこうぎょう machine industry

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

機械工業
きかいこうぎょう
machine industry

機械,器具を生産する産業。資本財,消費財にわたるすべての機械,器具を包含するのでその範囲は広くなるが通常,一般機械電気機械,輸送機械,精密機械,兵器に大別できる。産業史の観点からみると機械工業は産業の発展を反映しながら展開をとげている。

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デジタル大辞泉の解説

きかい‐こうぎょう〔‐コウゲフ〕【機械工業】

機械およびその部分品を製造する工業。
機械を用いて物を生産する工業。→手工業

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百科事典マイペディアの解説

機械工業【きかいこうぎょう】

生産財および消費財としてのすべての機械製造を包括する製造工業の一大分野で,通常,一般機械(原動機産業機械工作機械など),電気機械,輸送機械(自動車鉄道車両,船など),精密機械,兵器の五大グループに分ける。
→関連項目重化学工業鉄道車両工業

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世界大百科事典 第2版の解説

きかいこうぎょう【機械工業】


【定義と分類】
 機械工業は生産する機械の用途,目的によって二つに大別される。一つは,生産活動における人間労働を節約,代替する労働手段としての産業用設備機械を生産する部門である。これが本来の意味における機械である。他の一つは,家庭用耐久消費財機械を生産する部門である。これには家事労働節約(電気洗濯機電気冷蔵庫など),移動,交通(自動車など),さらには通信,情報,音響,娯楽のための種々の機械が開発されている。

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大辞林 第三版の解説

きかいこうぎょう【機械工業】

機械を使って営む工業。機械制工業。 ↔ 手工業
機械類や、その部分品を製造する工業。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

機械工業
きかいこうぎょう

工作機械を中心とした一般機械、重電機・弱電機・通信機を含む電気機械、自動車・造船・航空機に代表される輸送用機械、そして時計・光学機械といった精密機械等の総称としての機械を生産する工業である。したがって、機械工業は、消費財から生産財に至るあらゆる機械を生産する工業ということになる。
 機械工業の誕生は、産業革命を生起させ、市民革命ともども、資本主義社会の形成に客観的基盤を与えた。産業革命期には繊維産業、繊維機械の躍進が顕著であったが、それ以上に、工作機械の出現は、J・ワットの蒸気機関の開発に果たした改良中ぐり盤の役割に代表されるように、重要な意義をもっていた。それゆえ、機械をつくる機械たる工作機械工業の確立によってこそ、資本主義的な再生産体系の骨格が構築されてくるのである。
 一方、マニュファクチュアが機械制大工業に転化する際には、大きくいって二つの経路をたどっている。機関車製造のように、多くの部品を組み合わせて一つの完成品をつくりあげる場合と、紡績機械のように、多くの生産工程が、一つの機構をなす機械によって代替されていく場合とがある。この二つの形態は相互に規定しあいながらも、その後の展開、オートメーションへの移行の際にも、それぞれの特異性を残存させている。前者は部品の規格化を進め、メカニカル・オートメーションへと進展しているし、後者はプロセス・オートメーションへと連動していくことになる。
 その後、19世紀後半には、エジソンの業績などを母胎とした電気機械の登場、化学薬品、染料を製造する化学機械の大規模化などがあり、さらに20世紀に入ってからは、代表的な輸送用機械である自動車が台頭してくる。次々に新しい部門が開拓されてきただけでなく、機械工業の発達により、コンビナートといった、段階を画するような生産力の拡充が達成され、そのことを基礎に、独占資本が形成されていく。[大西勝明]

日本の機械工業

日本の場合、1889年(明治22)には、イギリス式旋盤の国産化が開始された。だが、明治期の機械の過半は、輸入に依存していた。しかも、機械工業の担い手の中心は民間ではなく、官営軍工廠(ぐんこうしょう)であった。明治期のみならず、外国に依存しながら、政府主導のもとで軍事生産に特化した跛行(はこう)的な展開をたどるというのが、第二次世界大戦時までの日本の機械工業の基本的な特徴であった。それでも、繊維機械工業や財閥系の造船業などは顕著な発達を遂げており、また、一部の工作機械の自主開発が実現されている。1914年(大正3)には、1000人以上の従業者を有する機械製造事業所は10社にすぎなかったが、42年(昭和17)には241社となっている。この間、1939年には生産額において紡績業を上回り、42年の従業者5人以上の機械製造事業所は、2万4910か所、従業者数約206万人、生産額は533億円に達している。
 第二次大戦後の機械工業の進展は目覚ましかった。まず、戦後復興過程では、戦前の蓄積を基礎に、時計、ミシン、カメラなど光学機械を主体とする輸出軽機械工業の躍進がある。輸出軽機械工業は外貨を獲得し、後の日本産業の重化学工業化を準備した。加えて、傾斜生産方式以降の石炭、鉄鋼、造船、電力の重視、朝鮮戦争の勃発(ぼっぱつ)といった事態は、関連機械工業に市場を与え、技術水準の向上に帰結している。
 高度成長期、当初は導入技術に全面的に依存しながらも、エレクトロニクス、乗用車、化学機械など新部門への急速な企業進出を伴いつつ、機械工業は類例のない拡張をみせた。というのは、重化学工業化の推進軸の中心は、鉄鋼と機械4部門との投資が投資をよぶとされた相互依存関係にあった。基礎素材たる鉄鋼と一般機械と、消費財である自動車、電気製品とは、相互に刺激しあいながら、高度成長を支えてきた。
 1950年代後半から60年代前半にかけては、高度な大量生産体制の形成があり、テレビ、冷蔵庫に代表される家電製品の普及と乗用車生産が本格化した。62年(昭和37)に日産追浜(おっぱま)の乗用車専用工場では、ハイスピードのトランスファープレスラインが稼動を始めた。近代的なトランスファーマシンと多数の下請部品メーカーとを有機的に結合しての量産体制が確立された。さらに、自動車、家電に触発されて、工作機械部門が充実した。相前後して、カラーテレビ、クーラー、コンピュータ、航空機、化学機械等の生産が推進されている。65年には不況に陥るが、ベトナム戦争特需や公共投資に助長され、開放体制の下で国際競争力の強化を意図した巨額な設備投資が遂行される。そして、この60年代後半の既存産業のいっそうの大規模化は、生産工程へのコンピュータの導入を伴っていた。自動車、電気、鉄鋼等のコンビナートは巨大化すると同時に、コンピュータを包摂してオートメーションを一段と開花させた。かくして、生産性が向上し、国際競争力が強化され、機械輸出が増大したのである。
 1971年のドル・ショック、73年のオイル・ショック以降の低成長経済下では、大型設備投資が停滞したこともあり、機械工業も深刻な影響を受けた。77年の造船不況は、4割近い設備廃棄をもたらした。しかし、強力な国際競争力、すなわち、最新技術と低賃金労働力とを有機的に組み合わせ、高性能な製品を安価に生産しうる体制を基盤に、日本の機械工業、なかでも自動車、電気部門は急激な輸出を展開しえた。しかも、原油価格の上昇は、低燃費の小型車生産に重点を置いていた日本の自動車メーカーに有利に作用した。こうして、不振の日本経済を自動車、電気製品の輸出が支えるといった局面さえ出てきた。
 また、工作機械部門でも、集積回路、コンピュータの小型化・高性能化・低価格化を背景に、1970年代には、機械によるコンピュータの内蔵化が本格化している。こうした機械は、大量の省力化を可能とすることから、不況下で合理化・省力化を志向する産業全体の動向に合致し、持続的に市場を拡大してきた。NC(numerical control=数値制御)工作機械、マシニングセンター等の生産額が、工作機械の生産額の過半を占めることになっている。80年代に入ってからは、こうした推移に、産業用ロボットの開発が重複している。産業用ロボットは、自動車、電気部門を中心に広く急速に導入されているだけでなく、工作機械部門等では、先のNC工作機、マシニングセンター等と一体化してFMS(フレキシブル生産システム)、FA(ファクトリー・オートメーション)とされる画期的な生産システムを誕生させ、夜間や昼休みの工場の無人運転を可能としている。
 最近の機械工業の生産高は、他分野ではみることのできない生産の増大傾向が維持されている。だが、1980年代には、強力な国際競争力が逆に国際的経済摩擦を引き起こし、事態は深刻化しつつある。
 工業統計表では、1983年の従業者30人以上の機械製造事業所は1万8015か所、従業者数約305万人となっている。内訳は、一般機械5463、従業者数73万7000人、電気機械8143、従業者数133万8500人、輸送用機械2989、従業者数77万人、精密機械1414、従業者数19万8000人で、残りは武器製造部門である。[大西勝明]

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