ウロンスキー(その他表記)Józef Maria Hoene-Wroński

改訂新版 世界大百科事典 「ウロンスキー」の意味・わかりやすい解説

ウロンスキー
Józef Maria Hoene-Wroński
生没年:1776-1853

ポーランド生れの数学者,哲学者。軍人としてポーランド独立戦争に参加した後,ドイツ,フランスで学問に励み,数学者として世に出た。数は合理的法則にとどまらず,抽象から具体まで人間の全活動の根源的運動を示す(彼の言う〈絶対〉)と考えており,この点サン・マルタンエッカルツハウゼンの数論に近似している。ここから彼の数学(《算式の第一原理》)から哲学・宗教(《メシアニスムまたは人知の絶対的改革》),さらには教皇やナポレオン3世にあてた政治書簡に至るおびただしい著作が生まれた。また鉄道の改良無限軌道構想など,実際的な技術者としても活躍した。その人となりは,彼をモデルとした人物を登場させたバルザックの《絶対の探求》によくうかがえる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のウロンスキーの言及

【アンナ・カレーニナ】より

…1875‐77年刊。女主人公アンナは,ペテルブルグの政府高官カレーニンの妻であるが,冷ややかでよそよそしい夫にあきたらず,美貌の青年将校ウロンスキーを愛するようになる。世間体よりも自分の感情を忠実に貫こうとしたアンナは,貴族社会から締め出され,愛人の愛情にも疑いをもつようになって,ついに鉄道自殺をとげる。…

※「ウロンスキー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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