ウンキアル・スケレッシ条約(読み)うんきあるすけれっしじょうやく

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ウンキアル・スケレッシ条約
うんきあるすけれっしじょうやく

1833年7月、ボスポラス海峡のウンキアル・スケレッシUnkiar-Skelessi(ヒュンキャル・イスケレシHünkâr Iskelesī)で結ばれたロシアとトルコとの間の相互援助条約。同年、エジプトの太守ムハンマド・アリー反乱で危機に瀕(ひん)したトルコが、ロシアに援助を要請、その見返りとして、ロシアにのみ軍艦のダーダネルス海峡通過権を認めた秘密条項を含むこの条約の調印となったもの。これを不満とする英仏は、ムハンマド・アリーの反乱鎮圧後の1841年7月、ロンドン条約でウンキアル・スケレッシ条約を解消、ロシア艦隊の海峡特権を消滅させた。

[藤村瞬一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android