ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リュード」の意味・わかりやすい解説
リュード
Rude, François
[没]1855.11.3. パリ
フランスの彫刻家。生地の父の金属工場で働いていたが,1807年パリに出て彫刻家を志し,1812年にはローマ大賞を得た。しかしナポレオン1世の崇拝者であったためローマ留学を断念し,ナポレオン失脚後はベルギーに亡命。同地に 1827年まで滞在して一連の新古典主義的作品を制作した。1831年『亀と遊ぶナポリの少年漁師』(ルーブル美術館)で新古典主義の立場から離れ,ロマン主義的写実主義(→ロマン主義美術)の作風を確立。引き続きパリのエトアール凱旋門の壁面を飾る『ラ・マルセイエーズ(1792年の義勇兵の出陣)』(1833~36)を制作。当時のフランスの国民的パトスを表現し,同時にバロック的な自然主義の様式を示した。その他の主要作品『ナポレオンの記念像』(1847,ディジョン近郊フィクサン公園),『ネイ将軍像』(1853,パリ,オプセルバトアール広場)。
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