日本大百科全書(ニッポニカ) 「ライエル」の意味・わかりやすい解説
ライエル
らいえる
Sir Charles Lyell
(1797―1875)
イギリスの地質学者。スコットランドのインノーディーに生まれる。オックスフォード大学で法律を学ぶ。のちに地質学に興味をもち、業務の合間に地質学を研究した。ロンドン大学キングズ・カレッジの教授、ロンドン地質学会会長となる。1830~1833年に『地質学原理』を著し、ハットンが唱えた学説を「斉一説」として提唱し世に広めるとともに、地質学に近代科学としての光をあてた。ダーウィンは進化論を提唱するにあたってこの著作の影響を強く受けたが、ライエルもまた後年ダーウィンの影響を受けた著作『古代の人間』(1863)を著している。終生熱心な自然観察者であり、老いても野外調査を捨てなかった。また、自然を観察してその記述にとどまるだけでなく、それから説をたてることをつねに心がけた。
[木村敏雄]