最新 地学事典 「エクソン・モデル」の解説
エクソン・モデル
Exxon model
堆積シーケンスの形成機構を説明する代表的な堆積モデル。一つの堆積シーケンスは,上下限をシーケンス境界によって区切られ,内部は整合一連の堆積物で構成されること,海進面・最大海成氾濫面によって低海水準期(あるいは陸棚縁辺堆積体),海進期,高海水準期の三つの堆積体に区分されること,それぞれの堆積体は特徴的な地層累重様式を有すること,およびそれらの特徴は一サイクルの相対海水準変動に応答して形成されることなどを表している。ただし,大陸棚・陸棚斜面・盆地底などの地形が明瞭な安定縁辺盆地を対象とし,一定の沈降速度と砕屑物供給量,ならびに沖側へ増大する総沈降量を前提としている。一般に,震探記録断面に最も明瞭に認められる第3オーダー堆積シーケンスを表しているといわれる。震探記録断面や地質断面にこのモデルを適用することにより,堆積相分布や堆積期間の相対海水準変動を推定することができる。1987年,P.R.Vailを中心とするExxon Production Research社の研究者グループにより提唱されたので,「エクソン・モデル」あるいは「ベイル・モデル」と呼ばれている。その模式断面の形態がナマコに似ていることから「スラッグモデル」と俗称されることもある。その原型は,P.R.Vail et al.(1977)にさかのぼる。
執筆者:荒戸 裕之
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

